HTML 5に導入される予定の<wbr>要素。
- 平成22年 4月 4日 公開
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HTML 5の仕様草案に平成22年 4月 2日付で追加された<wbr>要素について。
<wbr>要素とは。
HTML 5の仕様草案に平成22年 4月 2日付で<wbr>要素が追加されました。
<wbr>要素は、行の折り返しを認める箇所と言う定義です。
実は、<wbr>要素は旧くからグラフィカルなウェブブラウザには実装されていたものの、これまで公式には一度たりとも認められる事のない要素でした。
従来の<wbr>要素の使い方。
従来の<wbr>要素は、もう一つの非公認要素である<nobr>要素と併用して、行折り返しの制御を行うと言うものでした。
<nobr>要素は、折り返しを行わないテキストとされておりました。
<nobr>要素内で折り返しを認める箇所に於いて、<wbr>要素を入れる事で、その箇所で行の端に達しているか越えている場合には折返しが出来るようにしたと言う訳です。
しかし、この扱いは、当然ながら限られた視覚系環境でのみ実現可能であり、従ってW3Cも公認する事はなかったのです。
HTML 5での<wbr>要素の使い方。
HTML 5では、<nobr>要素は認められておらず、従って従来のような使い方は出来ません。
- 従来はそもそも<nobr>要素も<wbr>要素も公認されていなかったので、これらを使った場合はどの文書型にも適合しなくなるのですが。
HTML 5では、極端に長い単語に於いて音節上の区切りなど折返しが可能な箇所に挿入する事で、過剰な横スクロールを抑止すると言う使い方を想定しております。
ただ、日本語に於いては、単語中の任意の箇所で折返しが許されているので、全く利用する意味は無いでしょう。
従来の仕様での折り返し制御機能。
実は折り返しを制御する方法は、HTML 4以前に既に定義があるのです。
- 日本語では折返しの制約が英語などに較べて遙かに緩いので、全く意味はありませんが。
HTML 4の仕様書にはソフトハイフンと言う特殊な文字に関する言及があります。
ソフトハイフンとは折り返しの場合に限りハイフン表示を行う文字です。
- 当該箇所で折り返されない場合には何も表示されません。
- 検索などでは、この文字を無視して語句を評価する必要があります。
ソフトハイフンは
- 文字実体参照で言えば
­ - 数値文字参照で言えば
­
で表わされる文字となります。
- XHTMLでは文字実体参照の定義を得えられないので、必ず数値文字参照を用いなければなりません。
このソフトハイフンはISO-8859-1で定義され、またユニコードにも定義があるため、従ってHTML 5の仕様書にはソフトハイフンの概念に関する言及がないものの、使用する事は問題がないと思われます。
ソフトハイフンと<wbr>要素の違い。
ところで、既にソフトハイフンが定義されていて実装されているのであれば、わざわざ<wbr>要素を定義する必要はないのではと言う方もいるかも知れません。
そこで、これらの違いを実際に見てみましょう。
いま、以下のようなHTML 5文書があったとします。
<title>折り返しテスト</title><h1>ソフトハイフンと<wbr>要素の違い。</h1><h2 id="SHY">ソフトハイフンの例。</h2><p lang="en" xml:lang="en">Producer of <a href="http://www.marguerite.jp/"><cite class="website">Marguerite site</cite></a> lives in Saitama, Japan, and he loves <dfn>HORI­KITA Ma­ki</dfn>, one of Japan's most popular young actress.</p><h2 id="WBR"><wbr>要素の例。</h2><p lang="en" xml:lang="en">Producer of <a href="http://www.marguerite.jp/"><cite class="website">Marguerite site</cite></a> lives in Saitama, Japan, and he loves <dfn>HORI<wbr />KITA Ma<wbr />ki</dfn>, one of Japan's most popular young actress.</p>
- ソフトハイフンと<wbr>要素の違いを実現するHTML文書例はここまで
このHTML文書は、
- まずソフトハイフンを堀北真希をあらわす
のHORIKITA MakiHORIとKITAの間とMaとkiの間にそれぞれに挿入したものを、 - 続いて、同じ位置にソフトハイフンの代わりに<wbr>要素を入れたものを
並べております。
これをファイヤーフォックス 3.6で表示させると、以下のようになります。
いずれも、HORIとKITAの間で折り返しとなっておりますが、
- ソフトハイフンを用いた場合、折返し点にハイフンが表示されております。
- 一方、<wbr>要素の場合、何も表示されておりません。
また、Maとkiの間にも同じ記述がありますが、いずれも折り返しもなければ記号類の出力もありません。
実際のところ、日本人にとっては…。
何度も書いている通り、日本語では単語の途中の任意の箇所で折返しが許されております。
- 但し、禁則と言って、句読点や閉じ括弧の前及び開き括弧の直後などでは折り返してはいけない制約はあります。
- 英語などのラテン文字等を用いた言語では単語の途中での折返しを禁則としていると言えます。
このため、従来のソフトハイフンにしても日本人には馴染みがないものであり、恐らく<wbr>要素も外国語文章を書く人でない限り余り有用にはならないかも知れません。
ですので、こう言うものもあるという事を知っていても損は無いでしょうと思って、本文書を書いてみました。